「価格とは何か -言葉の意味を広くとらえて経営を考える-」
2011.07.11
価格とは何か、と聞かれて、みなさんは何と答えるでしょうか?
物の値段、つまり「支払う金額」だと答えるのが通常でしょう。
しかし、経済学の観点から言うと、価格とは必ずしも
物自体の金額だけをいうのではありません。
物を買うために並んだ待ち時間。
買ったのが食品であれば、それに含まれる添加物など
健康に害をもたらすかもしれないリスク。
これらも「価格」になります。
つまり、価格とは「支払う金額」よりもっと広い意味を持っており、
買うことに伴う総合的な「損失」を表しています。
言い換えると、買ったものと引き換えに「減るもの」が価格です。
支払いをして出て行く“お金”が「価格」と呼ばれるのはもちろんのこと、
待ち時間を費やして減った“時間”や身体に悪いものを摂って下がった
“健康レベル”なども「価格」の一部なのです。
だから、物やサービスの金額が同じでも価格が一緒というわけでは
ありません。例えば、支払額が同じでも待ち時間が長いお店の方が
価格が「高い」ということになります。
そして、一般的に価格が上がれば需要は減ります。
ただ、ひとつ注意してほしいのは、
高い=悪い、ということではありません。
どんなに待ち時間が長くても、どうしても手に入れたいものなら
「欲しい!」と思って並ぶでしょうし、
多少健康に悪くてもおいしい物なら食べたくなります。
そもそも、価格が高い物はそれに見合った価値があるはずですから、
当然魅力的です。
しかし、やはり価格が高ければ躊躇してしまうのが、
ごく一般的ではないでしょうか。
どんなに欲しくても、そこに様々な損失が伴えば、
気前よくものを買うことは難しくなりますよね。
逆に、当たり前のことですが、
金額のわりに物やサービスの質が良ければ需要は上がります。
つまり人は、良い物を安く手に入れたいのです。
金額的な安さだけでなく、時間的なロスや様々なリスクなどを含め、
損失を最小限に抑えたいと望みます。
こう考えると、やはりお客様の損失をできる限り少なくすることが
大切であると気づくでしょう。
もっとも、お客様が増えてなかなか予約が取れなくなること、
技術、立地、空間などが共に素晴らしく、相場より高くなること、
このように、高品質を追及した結果価格が上がることは構いません。
私が言いたいのは、与えなくても済む損失は与えるな、ということです。
例えば、時間管理を徹底して無駄な待ち時間をなくすこと、
もみ返しなどのリスクを防ぐこと、
きちんとした説明で不安感をなくしてあげること…
こうした工夫や努力で損失を最小限に抑えることができるはずです。
要するに、「値段」を下げずに総合的な意味での「価格」を抑えたり、
コストをかけずにサービスを向上する方法を考えるなどして、
お客様に「質が良いわりに安い」、「金額以上の価値がある」
という印象を与える戦略が必要なのではないでしょうか。
私の運営するリラクリズムも、「価格」という言葉を単に「支払う金額」
だととらえず、もっと広い意味で総合的にとらえて経営を考えていきたい
と思います。日々炯眼をもって店舗運営をし、
お客様からいただく金額以上の価値を提供したいと考えています。


