「お客様の嫌な気持ちを知ること」
2011.12.08
当然のことですが、整体の仕事においてお客様の立場に立つことは
大変重要です。他のサービス業ももちろん同じで、常にお客様が
何を望んでいるかに意識を向け、顧客満足度を高めていく努力は
欠かせません。
そのため、接客に携わる多くの人は、日々お客様にとっての
「良いこと」を追求し、多種多様なサービスを模索しています。
こうした努力はもちろん素晴らしいことですが、果たしてそれだけで
良いのでしょうか?
かつてリクルート社で活躍したくらたまなぶさんは、
著書の中でこう言っています。
「マーケティングの究極の目標は、人の嫌な気持ちを知ること」だと。
思うに、お客様にとって「何が良いか」ばかりを追求し、
お客様は「何が嫌なのか」を見落としてしまう人が多いのでは
ないでしょうか。
整体という仕事の場合、
技術も接客も完璧なのに来客数が伸びなければ、
どこかでお客様を嫌な気持ちにさせているのかもしれません。
例えば、店内の清潔感がなかったり、スタッフの私語が聞こえていたり、
室温が暑すぎたり寒すぎたり…。
もちろん、誰もがお客様に嫌な思いをさせないようにと
意識はするでしょうが、自分だけの狭い視野から抜け出さなければ、
案外悪いところに気づけないものです。
こんな経験がないでしょうか。
どこかで働くことになり、新しい職場に入ったとき、
「あれ?おかしいぞ?」と感じたことはありませんか?
「もっとこうした方が良いのではないか。」
「これでは非効率なのではないか。」
などなど、まず最初に目に飛び込んでくるのは
その職場の悪いところだったりしませんか?
それなのに、不思議なもので、数ヶ月もそこにいれば、
当初変だなと思っていたことにも、いつの間にか慣れてしまうのです。
だから、自分にとって当たり前になっていることが、
お客様にとってはすごく不自然だったり、不快であることは、
大いにありえるのです。
残念ながら、人の心には良い印象より悪い印象の方が強く残ります。
10の良い点があっても、1つ嫌な気持ちにさせてしまうことで
すべてがゼロになってしまうことさえあります。
一方では、こんなことも言えます。
良いと思うものは人によって差異がありますが、
嫌だなと思うものにはそんなに違いがありません。
ですから、良いものを提供しようとすれば、
明確なターゲティングも必要ですし、
よほど知恵を絞らない限りヒットさせるのは難しいですが、
悪い点を取り除いていくのは、気づきさえすればすぐに実行できますし、
それによって得られる効果も大きいと期待できます。
今、業種にかかわらずサービスの質は全体的に向上しています。
こうした状況では、人々は良いサービスを受けることは当たり前になり、
逆にサービスの欠点に意識が向きがちです。
だから、ほんの少しの悪い点が命取りになることだってあるのです。
お客様にとって良いものを提供すること、
お客様の嫌な気持ちを知ってそれを取り除くこと、
このどちらも重要で、片手落ちになってはいけないのです。
必死に良いサービスを心がけているのにお客様に選んでもらえない、
そう感じている人は、スティーブ・ジョブスじゃないけれど、
「Think different」を意識してみてはいかがでしょうか。
発想を変えることが、状況を変える最初のステップだと思います。
良いことの反対側にあるコンプレイン。
ここにこそ、成功へのカギが隠れているのかもしれません。
一度立ち止まり、自分自身やみずからやっていることを省察したり、
第三者の意見を聞いて問題点を探してみることで、新しい展開への
扉が開くのではないでしょうか。


